エクソソームには、制度上の品質の下限が存在しません。届出も承認も要らないため、何を使っているかは提供する側の姿勢に委ねられています。だからこそ、受ける側が確認できる項目を知っておく意味があります。東京・六本木の当院(Tokyo Beauty Master Clinic.)で扱う点鼻用のエクソソームは、国内の細胞培養施設で製造された臍帯血由来の製剤です。
なぜ「規制の外」なのか
再生医療等安全性確保法は、基本的に「細胞加工物」や「核酸等」を用いる医療技術を対象としています。厚生労働省は「細胞加工物」を、人または動物の細胞に培養などの加工を施したものと定義しています。幹細胞治療やPRP療法がこれにあたり、委員会の審査を経て厚生局へ計画を届け出る義務があります。
エクソソームは細胞が分泌した小胞であり、生きた細胞を含みません。そのため特定細胞加工物に該当せず、同法の対象外となります。届出も、委員会審査も、法律上は求められていません。
エクソソームは生きた細胞を含まないために特定細胞加工物には該当せず、再生医療等安全性確保法の対象ではないため、品質が確保されていない海外からの輸入品を使用しているクリニックもあります。
これは他院が公開している説明です。業界の内側から、この構造が指摘されているということでもあります。
品質は4つの層に分かれる
「品質が良いエクソソーム」という表現は広く使われますが、何を指しているかは製品によって違います。整理すると次の4層になります。
| 層 | 見る対象 | 確認方法 |
|---|---|---|
| ① 原料 | 細胞の提供者(ドナー) | ドナースクリーニングの実施と基準が示されているか |
| ② 製造 | 培養・精製を行う施設 | 国内のCPC(細胞培養加工施設)か、輸入品か |
| ③ 規格 | 粒子の数・大きさ・純度 | 数値が単位つきで公表されているか |
| ④ 表示 | 何をどう伝えているか | 未承認であることが明記されているか |
①が甘ければ、②以降をいくら厳密にしても出発点が揺らぎます。②が海外の輸入品であれば、①を確認できるかどうかは輸入元の開示しだいです。どれか一つだけ強くても、品質は決まりません。
「億個」という表記の読み方
粒子数は最も目につく数字です。ただし単位をそろえないと比較になりません。
- 「1mLあたり◯億個」なのか、「1回の投与あたり◯億個」なのか
- 溶解後の全量は何mLか
- 測定方法は何か(粒子追跡解析など)
同じ「◯億個」でも、1mLあたりか1回あたりかで数倍から十数倍の差が出ます。単位が書かれていない数字は、そのままでは比較に使えません。単位を明記していること自体が、開示の姿勢を測る材料になります。
※ 当院の表示は「1バイアルあたり、純度99%以上・約75.8億個以上」です。1mLあたりではありません。
国内製造と輸入品の違い
国内のCPC(細胞培養加工施設)で製造されている場合、培養から精製までの工程が国内の管理下にあります。輸入品の場合、どこで、どのドナーから、どのような工程で作られたかを受け入れる側が確認できるかどうかが論点になります。
輸入品が一律に問題だという意味ではありません。確認の手段が用意されているかどうかが違う、ということです。
受ける前に確認できること
| 確認すること | なぜ見るのか |
|---|---|
| ドナースクリーニングの基準が示されているか | 他人の細胞を原料とするため、出発点の安全性に直結する |
| 製造施設はどこか(国内CPCか輸入か) | 工程をたどれるかどうかが変わる |
| 粒子数が単位つきで書かれているか | 単位がなければ比較できない |
| 純度が何の純度か定義されているか | 粒子中のエクソソーム比率か、別の指標か |
| 未承認であることが明記されているか | 医療広告ガイドライン上、必要な表示 |
| 入手経路と諸外国での承認状況が説明されるか | 未承認医薬品等の情報提供義務にあたる |
当院の場合
他院との優劣を示すものではなく、確認できる事実を並べたものです。
| 項目 | 当院 |
|---|---|
| 製造 | 国内の細胞培養加工施設(CPC)で製造 |
| 由来 | 臍帯血由来 |
| 規格 | 1バイアルあたり 純度99%以上・約75.8億個以上 |
| 提供形態 | 点滴・注射・点鼻 |
| 法的位置づけ | 国内未承認の医薬品等。診察時に入手経路等を説明 |
なお当院は、幹細胞治療(第2種)とPRP療法(第3種)について関東信越厚生局へ再生医療等提供計画を届け出て受理されています。エクソソームはこの届出の対象ではありませんが、届出が必要な治療も扱っている施設が、同じ管理体制のもとで扱っているという点は、確認できる事実として挙げられます。
これから分かってくること
エクソソームが細胞間の情報伝達を担うこと、成長因子などを含むことは報告されています。ヒトでの長期的な影響は、いま研究が積み上がっている段階です。研究が進むほど、選ぶときに見られる材料も増えていきます。
感じ方には個人差があります。特定の効果を保証するものではありません。
よくあるご質問
Qエクソソームは再生医療等安全性確保法の対象ですか+
対象外です。生きた細胞を含まないため特定細胞加工物に該当せず、届出義務がありません。そのぶん、品質をどう確保しているかは提供する医療機関ごとに異なります。
Q粒子数が多いほど良いのですか+
単位をそろえないと比較になりません。「1mLあたり」なのか「1回の投与あたり」なのかで数倍から十数倍の差が出ます。単位が書かれていない数字は比較に使えません。
Q輸入品と国内製造では何が違いますか+
工程をたどれるかどうかが違います。国内のCPCで製造されていれば、培養から精製までが国内の管理下にあります。輸入品が一律に問題という意味ではなく、確認の手段が用意されているかどうかの差です。
Qエクソソームは承認された医薬品ですか+
いいえ。国内では医薬品として承認されていません。当院では自由診療として、診察時に入手経路・国内の承認医薬品の有無・諸外国における安全性等の情報をご説明したうえでご提供します。
Q何を基準にクリニックを選べばよいですか+
ドナースクリーニングの基準、製造施設(国内CPCか輸入か)、粒子数の単位表記、純度の定義、未承認である旨の明記、入手経路の説明。この6点が確認できるかどうかです。
エクソソーム製剤は国内未承認の医薬品等です。医薬品医療機器等法に基づく承認を受けたものではありません。入手経路・国内の承認医薬品の有無・諸外国における安全性等に係る情報は、診察時に医師よりご説明します。本治療は自由診療(保険適用外)です。効果・感じ方には個人差があり、特定の結果を保証するものではありません。